日記

40代独男、転落の軌跡

10月8日(土)

◯6時起床、休日。

◯今日は自身この世に生を享けて43年目の日。独り身、友人から「おめでとう」の喝上げをしたくない自分は夕方まで自宅待機。陽が沈むのを待って夜の銀座に寿司でもつまもうと出かけた。移動中、というかこの日一日中、前日の出張で後輩(女)にキレられた案件が頭を離れない。完全に相手の誤解だが、こちらも先に言っておけば良かったという負い目もある。しかし、あなたは部下、私は上司、例え白いものを黒いと言われても「光の加減によっては見えますね」とその場をやり過ごせばいいだろうに。いやいや、そもそも、そんな話ではない。私はあなたが行きたくない飲みの席に来なくていいようにしてあげたのだから感謝されてもいいはず。そのやり方に文句があるなら、最初から「行きます」と言え。とまあ、こんな具合に朝から頭の中を反省と憤りがぐるぐる回っていた。八重洲地下街を抜けてさて銀座だ、寿司だ、となるはずだったが、歩みを進めるほどにこんなモヤモヤした状態で高い寿司を食っても楽しくないと気持ちが重くなる。通りを行く家族連れやカップルの姿に「独りで寿司食って旨いのか?」と心の中の悪魔が囁く。映画「八日目の蝉」で女性しかいない施設で育ったために男性恐怖症になった人の台詞「このまま一生独りなのかなって思ったら頭の中が真っ白になって気を失いそうになる」が脳裏に突き刺さる。道化を演じることでしか人間関係を築けない自分は人間恐怖症か、そう考える一方、仮面の下の顔を受け入れてくれる人間を探す矛盾。「寿司屋でも道化を演じるのか? 仮面をつけたままで寿司は食えるのか? そうやって食う寿司は旨いのか?」心の中の悪魔が囁く。

◯結局駅に引き返し、日常へのささやかな抵抗としていつもと違う駅で降りて、いつもと違うスーパーで買い物をして家に帰った。ハッピーバースデー自分。

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