日記

40代独男、転落の軌跡

7月1日(金)

◯5時起床、17時退社。

◯仕事。部下の女性社員から書類の処理の仕方を訊かれたので「こうやれば」と答えると「え、これってああやるんじゃないんですか?」と語気強めに返される。いや、知ってるなら訊くなよ、おかちめんこ。

◯退社後、退職して隠居生活の方々と酒。下半期の始まりがこれだと今年は絶望的。その証拠に迷わず集まれるというだけで俺が予約したチェーンの居酒屋は料理が不味く最悪だった。しかし可愛い女性店員がいて幾分救われた。だからといって40過ぎのオッサンが何が出来るわけでもない。やっぱり死にたくなった。

◯帰りの電車で、さっきの居酒屋の子の月給ぐらい余裕で毎月払ってやれる自分なのになぜ独り身なんだと悲しくなった。それを世間じゃパパ活って言うんだよと頭の中で誰かが笑った。前にスナックで俺の月収を上司がノリで暴露して、その額に目の色変えて食いついたしゃもじみたいな子持ちホステスを思い出した。あの女ならポンコツの俺でも幸せに出来たのかもしれない。もっとも俺は確実に不幸になるのだが。

◯家になんか帰りたくないのに、今の俺のスマホの中に誘える女はいなかった。重い身体を引きずって部屋に戻り、ロックグラスにデンキブランを注いでお気に入り女性ユーチューバーの一人外飲み動画を再生した。隣り合わせた客に話しかけられ「このお店は視聴者の方から紹介されて〜」と言っているのを見て一気に冷めた。

◯マッチ売りの少女からマッチを買ってあげた。その少女の父親は石油王で彼氏はイケメン俳優だった。

◯自分への処方箋。SNSではなるべく醜いものを見るようにしましょう。そうすれば現実がパラダイスになります。駄馬はサラブレッドに、ドブネズミはミッキーマウスに。

◯綺麗は汚い。汚いはやっぱり汚い。