日記

40代独男、転落の軌跡

6月30日(水)

◯6時起床、17時退社。

◯6月が終わった。コロナ禍でも職を失わず、収入が減ることもなく、株で少し資産を増やし、病気もせず、健康で恵まれているのに、年端もいかぬユーチュバーやらインフルエンサやらが、月収何百万だ、タワマンに住んでるだなんて耳にすると、自分が宝物だと思っていたミニカーが、実はお菓子のおまけの紛い物で、おもちゃ屋に行けば本物のミニカーが、あるいはラジコンが、よもや車屋に行けば乗ることが出来る車が売っていることを知って恥ずかしくなるような、そんな心の寂しい1年の半分が終わった。

◯『これは最後のチャンスだ。先に進めば、もう戻れない。青い薬を飲めば、お話は終わる。君はベッドで目を覚ます。好きなようにすればいい。赤い薬を飲めば、君は不思議の国にとどまり、私がウサギの穴の奥底を見せてあげよう』。映画「マトリックス」でモーフィアスがネオに世界の真実を知りたいか問う有名なシーンだ。

◯自分は世の中のほとんどの人は、赤い薬を飲んでいるんだとばかり思っていたが、それは間違いで、多くの人は青い薬を飲んで楽しくやっていることを30を過ぎた辺りで知って、夢も希望も失った。今日「エリアチーフマネージャー」の肩書きで営業に来た、後輩男子を顎で使う美人も、きっと青い薬でラリってるんだろう。

◯漫画脳の自分がカッコつけてメシア気取って、赤い薬を飲んだことに後悔はないが、あの夜、キスぐらい、いや、おっぱいぐらい揉んでおけば良かったとは思う。