日記

40代独男、転落の軌跡

12月9日(水)

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 12月9日水曜日、冬晴れ、有給休暇をとっての平日休み、6時起床。「サラリーマンにとっての最高の贅沢とはなんだろう?」と考えながらこの日を迎えた。
 
 三ツ星のレストランでのお食事? 内風呂付きの温泉旅館でのんびり? 最高級ソープでのお愉しみ?
 
 否、否、否。
 
 安月給のサラリーマンが金を使って贅沢をしても、それは贅沢とは言えない気がする。金をかけず最高の優越感を得ることがサラリーマンにとっての本当の贅沢ではないだろうか。
 
 優越感。人間悲しいかな、それを一番感じるのは自分より苦しんでいる人を見たときだ。
 
 だからサラリーマンにとっての最高の贅沢は「駅のホームでベンチに腰掛け、通勤ラッシュの満員電車を眺めながら缶ビールを飲むこと」だと思う。自分が普段乗っている電車に乗らず、それを横目に酒を飲む。押しつぶされこちらを恨めしそうに見る人の目。それすなわち、カ・イ・カ・ン。
 
 起床後、熱いシャワーを浴び、9時過ぎに駅へ向かった。考えた贅沢を実行するためではない。
 
 海を見に行こうと思った。そして海を眺めながら缶コーヒーを飲もうと。
 
 到着した葛西臨海公園は水族館が休館日ということで人影は少なかった。右手に東京のコンクリートジャングル、左手に千葉の夢の国が見えるベンチに座り、海の向こうでは戦争で苦しんでいる人もいるんだろうな、なんて考えた。そしてまた贅沢について考えた。
 
 丁寧に生きるのが好きだ。決まった時間に起きて、バランスのとれた食事をして、適度に運動して、文化的な活動をして、決まった時間に眠りにつく。
 
 働きたくない。労働における時間的拘束、人間関係は丁寧な暮らしを乱すから。
 
 そばに寄り添い、一緒に丁寧な暮らしをしてくれる人がいてほしい。優しくリズムを崩してくれる人の存在が。たまに旅行をして非日常の景色を見たり、変わったものを食べたり、ちょっと夜更かししてみたり。そして丁寧な暮らしに戻ったあと、それを振り返って「あのときは楽しかったね」と一緒に笑ってくれる人の存在が。
 
 海の向こうには明日の暮らしがどうなるかもわからない人がいる。対岸でこんな贅沢を考えられること自体が贅沢なんだろう。
 
 腐った優越感に浸っている自分はクズだと思った。そんな平日の休日。