日記

30代独男、転落の軌跡

12月5日(土)

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 12月5日土曜日、休日、冬晴れ、4時起床。今日も予定はない。朝焼けの中、軽めのランニングをして、部屋に戻り筋トレをした。
 
 休みの日は普段食べない朝食を食べる。それだけでも贅沢な気持ちになる。
 
 電車に乗り、日本橋方面へ。移動の電車に人は少なく、ノイズキャンセリング機能のついたイヤホンで雑音を遮り、ゆっくり読書を楽しめた。降りた駅のホームでコーヒーを買い、ベンチに腰掛け区切りのいいところまでページをめくる。とても優雅な気持ちになる。
 
 上野方面へ音楽を聴きながら歩く。ランダム再生をしていると「昔この曲よく聴いてたな」とか「こんな曲入れてたんだ」と発見があり、なんだか得した気分になる。今まで歩いたことのない道を選んで歩いてみたり、入ったことのないお店に入ってみたりして、知っている街なのに新鮮な気持ちになる。
 
 ふらりと入ったお店でコートを買い、上野公園で一息つき、部屋に帰ることにした。最寄り駅に着いたとき、買ったコートに合わせるパーカーが欲しくなり、前に一度だけ行ったことのある自分の家とは反対方向にある洋服屋へ行ってみることにした。
 
『女性というものは、休んでからの事と、朝、起きてからの事との間に、一つの、塵ちりほどの、つながりをも持たせず、完全の忘却の如く、見事に二つの世界を切断させて生きているという不思議な現象を、まだよく呑みこんでいなかったからなのでした。』太宰治人間失格」より
 
 普段歩かない道を歩いていると、通りの向こうから歩いてくる人波に知った顔を見つけた。
 
 決めつけや先入観は良くない。でも一人の男が「女」を語るとき、そのイメージの中の「女」というのはその男が出会った女を集約した像で語られる。
 
 その女は、自分の中の「女」のイメージを確実に悪くさせた女だった。リスのような顔立ちの、小悪魔的な女。
 
「私にやられて悔しいなら、好きだって寄ってくる女に同じことやってやればいいんですよ。世の中、因果応報ですから」
 
 頼んでもいないのに思い出ボイスレコーターの自動再生。どうでもいいけど、いい大学出てるだよね。因果応報の使い方間違えてるよ。
 
 静かに無視して通り過ぎた。たぶん彼女は自分に気づいていなかったと思う。
 
 さっきまでの金持ちの息子みたな気分はどこへやら。奈落、転落、奥底からこみ上げてくる不快感。
 
『春は夜桜、夏には星、秋には満月、冬には雪、それで十分酒は美味い。それでも不味いんなら、それは自分自身の何かが病んでる証拠だ。』
 
 帰宅後観た映画の原作にあった言葉。
 
 ここ最近、美味い酒が飲めないでいる。