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余命46年

30代独男、転落の軌跡

スチュワーデスに声をかけられた話

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 年に数回、出張で飛行機に乗ることがある。

 今の会社に入るまで飛行機に乗ることがほとんどなかったため気づかなかったのだが、搭乗すれば自分は100%スチュワーデスに声をかけられる。

 「飲み物は何になさいますか?」ってね。

 (´Д` )

 と、定番の冗談は置いといて、本当によく声をかけられる。

 声をかけられるのはいずれも着陸後、飛行機から降りるのを待つ間だ。

 荷物を持って、少しでも広いスペースで待とうとすると、自然スチュワーデスの座席前や、一番後ろのトイレ前になる。

 もちろんそこにはスチュワーデスもいるが、他の乗客もいる。でも声をかけられるのは自分だけ。

 フライト中、「どうせパイロットとよろしくやってんだろ」という睨みを利かせていた男に声をかける道理はないと思うのだが、それでもスチュワーデスはニコニコしながら声をかけてくる。

 もちろんマニュアルに「降りるまで時間がかかる時にはお客様に声をかけストレスを軽減させてあげましょう」というのがあるんだろう。でも「可愛いネクタイですね」とか「背が大きいですね」とか容姿的なことを言われるとマニュアル以上のものを感じてしまう。

 そんな「これはいけるんじゃないか」感を持っての先日、福岡出張の帰りにも声をかけられた。

「飛行機揺れましたが大丈夫でしたか?」

 後方の席のため降りるのは一番最後だろうと諦めトイレに入り出たところ、他のスチュワーデスと話していたのにそれをやめ、彼女は声をかけてきた。

 これまで声をかけてきたスチュワーデスの中でベストスリーに入るルックス。よし、ここはやってやろうとギアを入れた。

 あちらが「お仕事ですか?」とくれば「1日何往復ぐらいするんすか?」とスチュワーデスとトークするときのテンプレートで返し、和やかに言葉のキャッチボールを繰り返した。

 よし、これは確実にいけると思いギアをもう一段上げようとしたとき、自分の悪い病気「美人イップス」が発動する。この病気についてはまた別の記事に書くとして、こうなると言葉が出てこない。しかも赤面、手には汗。

 そして思考停止の脳みそが絞り出した言葉。「お綺麗ですね」

 唐突な求愛行動。

 その後は「連絡先教えてもらえませんか?」の自爆コースへと突入し、結果を書くまでもなく「それはちょっと」と言われ赤面マックス、逃げるように飛行機を降りることになった。

 後日、女友達に聞くまでもなかったのだが、ああいう場合、相手をむやみに褒めたりせず、こちらの連絡先を渡し、その後はあちらの判断に委ねるのが正解、もしくは冗談交じりに「やっぱり客から連絡先聞かれることってあるんですか?」の流れで様子を伺うのが正しい。

 だから次に声をかけられたら名刺を渡してやろうなどと思ったりもするが、もし上手くいったとしてスチュワーデスとどこに飯を食いに行けばいいとか、どこに遊びに行けばいいとか考えるだけでストレスなので実際に行動することはないだろう。

 もしスチュワーデスに声をかけられたくてここまで読んだ人がいるなら、自分の経験がその一助になれば幸いだ。幸運を祈る。